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発注者が最初に揃える外部開発の基礎用語|混同しやすい15語
請負・準委任・SES・検収——用語の取り違えが追加費用と炎上を生む。発注者が最初に揃える基礎用語15と、聞くときの一文を整理します。
村田 文太郎/代表取締役
- 受託開発
- 契約
- 発注失敗回避
キックオフで同じ言葉を使っているのに、検収で揉める。——多くの場合、技術の差ではなく用語の指す範囲が違うことが原因だ。
辞書を暗記する必要はない。混同しやすい15語について、「うちではこう使う」を一文で揃えればよい。
結論:先に揃える3カテゴリ
契約系・体制系・工程系。この順で認識を合わせると、見積もり比較が歪みにくい。
契約系(5語)
| 語 | 定義(発注者向け) | よくある誤解 | 聞く一文 |
|---|---|---|---|
| 請負 | 決めた成果の完成に責任 | なんでも一式で無限対応 | 受入基準はどれか |
| 準委任 | 合意した役務の遂行に責任 | 完成保証がある | 優先順位の決め方は |
| 成果完成型 | 準委任でも完成を意識した設計 | 請負と同じ | 完成の定義は書面か |
| 検収 | 受入基準に照らした確認 | 感想でOKすること | 不合格時の手続は |
| 変更管理 | スコープ変更の手続と費用 | 口頭で足してよい | 単価と期限への影響は |
体制系(5語)
| 語 | 定義 | 誤解 | 聞く一文 |
|---|---|---|---|
| SES/常駐 | 労働力の提供が主 | 成果物責任まで含む | 指揮命令と成果の所在は |
| 主幹ベンダー | 統合と横断の責任を持つ社 | 各社対等で自動統合 | IFと障害一次は誰か |
| PM/PjM | プロジェクトの納期・範囲 | PdMと同じ | 優先順位の最終決裁は |
| PdM | プロダクトの価値と仮説 | 進捗管理係 | 成功指標は何か |
| 技術顧問 | 意思決定への継続関与 | 週1壁打ちの別名 | 90日の成果物は |
工程系(5語)
| 語 | 定義 | 誤解 | 聞く一文 |
|---|---|---|---|
| 要件定義 | 作るものの合意形成 | 分厚い文書そのもの | 凍結する範囲はどこか |
| MVP | 仮説検証の最小 | 全機能の縮小版 | 成功指標は1つか |
| PoC | 期限付きの検証 | 終わらない実験 | Kill条件はいつか |
| 成果物 | 検収・運用に使うアウトプット | ページ数の山 | 使う場面は何か |
| SLA | 運用の時間と責任 | 数字だけの約束 | 判断者は夜間誰か |
事例
匿名化した一例。発注側は「準委任=完成まで見てくれる」と解釈し、受託側は工数消化と理解。3ヶ月後に成果物一覧がなく炎上。キックオフで上表の「聞く一文」を10分やれていれば防げた。
別の一例。MVPを「社内向け全画面」と定義し、学習がゼロ。成功指標を1つに直してから外注範囲が半分になった。
判断軸
| 用語合わせを先にやる | 後回しにしてよい |
|---|---|
| 複数社比較・契約形態が未定 | 既存の長期パートナーと用語が既に共通 |
| 初回取引 | 変更がほぼない保守のみ |
次に確認すること
- 請負/準委任の社内定義は一文か
- SESと請負を混同していないか
- 検収の不合格手続はあるか
- MVP/PoCの終了条件はあるか
- 相手と同じ用語表を共有したか
まとめ
外部開発の事故は、しばしば高度な技術以前に言葉のズレから始まる。15語を完璧に覚える必要はない。キックオフで「うちの定義」を揃えることが、いちばん安い保険だ。
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