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営業担当は優秀だったのに開発が始まったらうまくいかない?受託開発会社の体制を見るポイント

コンペでは好印象だったのに、開発が始まると別の顔——営業と開発の分断は受託開発の典型問題。体制を見極めるポイントを発注者目線で解説します。

村田 文太郎/代表取締役
  • 受託開発
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  • 発注失敗回避

コンペのプレゼンは完璧だった。営業担当は課題を正確に理解し、的確な提案をしてくれた。

キックオフ後、別の世界が始まる。PMは別人、エンジニアはジュニア、報告は遅い、認識はズレる——営業と開発の分断は、受託開発で最も多いトラブルの一つだ。

営業の上手さと、開発の実行力は別物だ。コンペで見るべきはプレゼン力ではなく、実際にプロジェクトを回す体制だ。

なぜ起きるのか

多くの開発会社では、営業と開発が別組織になっている。

  • 営業: 受注を取る(コンペに出る)
  • PM: プロジェクトを回す(別の人)
  • エンジニア: 実装する(さらに別の人)

コンペに出る営業担当が、実際のプロジェクトに一切関わらない構造は珍しくない。分断自体が違法なわけではない。問題は、分断を隠したまま期待値だけが上がることだ。

典型的に崩れるパターン

  • 提案時の課題理解が、実働チームに引き継がれない
  • 「シニア前提」の見積もりが、ジュニア中心体制になる
  • 定例が報告会化し、意思決定が遅れる
  • 営業には通じたのに、PMには毎回一から説明する

深掘り事例:キックオフで顔ぶれが入れ替わった案件

匿名化した一例だ。コンペでは営業とテックリード候補が揃い、課題の言い換えも的確だった。契約後のキックオフ資料で、テックリードは「アサイン調整中」、PMは別案件兼務の名前に変わっていた。

最初の6週間で起きたこと:

  • 提案時の技術選定が現場で覆り、設計が二度手間に
  • 週次定例の意思決定者が不在で、持ち帰りが増えた
  • 発注側が「また営業経由で確認」する二重通信になった

契約条項に「提案メンバーの稼働」がなく、入れ替えを止められなかった。被害はスケジュール遅延3ヶ月と、信頼の毀損だ。分岐点は、書面で名前と稼働を取る前に押印したことだった。

契約前に確認すべき5つのこと

1. コンペに出た人は参画するか

「提案時のメンバーがそのまま参画します」——これを書面で確認する。口頭約束は無効。

2. PMの経歴と稼働率

PMは誰か。同時に何件走らせているか。1人のPMが5件以上並行している場合、注意が必要。

3. エンジニアのスキルと人数

テックリードは誰か。実装エンジニアは何人か。スキルセットは案件に合っているか。

4. 定例の設計

週次報告の形式、意思決定のフロー、エスカレーション経路——ここが具体化されていなければ、着手後に機能しない。

5. 過去の類似案件

同じPM・同じテックリードで、同規模の案件を成功させた実績があるか。

体制を見るチェックリスト

確認項目OKNG
提案メンバーの参画書面で明記「適宜アサイン」
PMの稼働率週2日以上週半日、5件並行
テックリード名前と経歴が分かる後日アサイン
定例設計具体的なフォーマット「適宜報告します」
エスカレーション判断者と期限が明確未定

キックオフ前にやるべきこと

契約後、キックオフ前に以下を要求する。

  • プロジェクト体制図(名前・役割・稼働率)
  • 最初の4週間の具体的な計画
  • 定例ミーティングの日程と参加者
  • コミュニケーションツールと報告フォーマット

ここで体制が変わるなら、キックオフ前に判断を変える余地がある。変わった理由が「都合」だけなら、契約条件の見直しを含めて交渉する。

判断軸:この体制で進めてよいか

状況推奨
提案メンバーの稼働が書面にある進行してよい
キックオフで主要メンバーが入れ替わった理由と代替の質を確認。不満なら再交渉
PMが多件並行で定例が形骸化稼働増またはPM交代を要求
営業経由でないと話が進まない実働チームとの直経路を設計し直す

次に確認すること

  1. 体制図(名前・役割・稼働)は書面にあるか
  2. 提案時メンバーとの差分はあるか
  3. PMの並行案件数は分かるか
  4. 定例の意思決定者は参加するか
  5. エスカレーション先と期限はあるか
  6. 入れ替え時の事前通知義務はあるか

まとめ

営業の上手さと、開発の実行力は別物だ。

コンペで見るべきはプレゼン力ではなく、実際にプロジェクトを回す体制だ。分断がある会社でも、分断を開示し、実働を契約に落とせるなら取引できる。隠す会社は避ける。


開発会社の体制評価・選定支援の相談は、お問い合わせフォーム からどうぞ。

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