← Blog 一覧
Blog
作ったのに現場で使われない|実装外注だけで起きる定着失敗
納品は完了でも現場が使わない。定着がスコープ外だった失敗の典型と深掘り事例、企画〜定着の責任分界を整理します。
村田 文太郎/代表取締役
- 受託開発
- 発注失敗回避
- 新規開発
「要件どおり作った。検収も通った。だが現場が使わない。」——実装外注だけのプロジェクトで繰り返し起きる。失敗の本体はUIの好みではない。定着(教育・運用・インセンティブ)がスコープに入っていなかったことだ。
使われないシステムは、未完成と同じコストを生む。定着を誰が持つかを発注時に決める。
典型失敗
- 現場の業務フローを変えずに画面だけ新しくする
- トレーニングがリリース後の「お知らせ」だけ
- 旧手段が残ったまま、新システムに移る理由がない
- 運用の問い合わせ窓口が空
- 成功指標が「納品」で終わり、利用率を見ない
深掘り事例
匿名化した一例。社内申請の電子化を外注。検収は画面と帳票。現場はExcel並行運用を続け、3ヶ月後の利用率は低迷。追加で定着支援を発注し、結局初期見積もりを大きく超えた。
分岐点はRFPだ。「利用率○%を90日で」を成功条件に入れ、定着ワークショップをスコープに含めていれば、実装範囲そのものが変わっていた(例外業務の削減など)。
責任分界(企画〜定着)
| フェーズ | 社内が持つべきもの | 外に出せるもの |
|---|---|---|
| 企画 | やめる旧業務、成功指標 | 要件の整理支援 |
| 実装 | 優先順位の決裁 | 設計・開発 |
| 定着 | 現場のインセンティブ、旧手段の停止 | 研修設計、同行、改善 |
判断軸
| 実装と定着をセットで発注 | 実装のみでよい |
|---|---|
| 現場の行動変容が必要 | 既存ユーザーが待つ改善で、導線が同じ |
| 旧手段を止められる権限が社内にある | 止められないのに新システムだけ作ろうとしている(まず止める) |
次に確認すること
- 成功指標は利用率や業務時間か(納品完了だけになっていないか)
- 旧手段を止める日はあるか
- 定着の担当(社内)は名前か
- 研修・同行は見積もりにあるか
- 現場の例外業務を削減する合意はあるか
まとめ
使われない納品は、開発会社だけの責任ではない。定着をスコープ外にした発注設計が先にある。作る前に、使い続ける条件を書く。
定着まで含めた伴走の相談は、お問い合わせフォーム からどうぞ。
Related
関連記事
MVPを「全部入り」にして失敗する|小さく出す判断を誤る理由
初版に全機能を積むと学習がゼロになる。MVP失敗の本質は削れなかったこと。典型パターンと深掘り事例、残す1指標の判断軸を整理します。
新規プラットフォーム立ち上げで、最初の90日に決めること
0→1のプラットフォーム開発で最初に決めるのは技術スタックではない。プロダクト境界・運用責任・止め方。90日で固定する成果物を整理します。