← Blog 一覧

Blog

EM代行を入れるタイミング|マネージャー不在の開発組織で最初にやること

EM代行は「人が足りないから」では決まらない。1on1・評価・優先順位が回らないときに入れる。最初の30/60/90日の型を整理します。

村田 文太郎/代表取締役
  • CTO代行
  • 組織
  • 開発生産性

「テックリードはいる。でも誰もマネジメントしていない。」——1on1は空欄、評価は年1の感想、優先順位はチャットの温度感。採用を急いでも、受け皿がなければ人が辞める。

EM代行は、その受け皿を先に作る役だ。CTO代行が事業と技術投資の接続なら、EM代行はチームが毎週前に進む仕組みを整える。

入れるタイミングは「マネージャーが採用できないから」ではなく、「マネジメント不在がリリースと離職に効いているとき」だ。

結論:最初の30/60/90日

時点やること成果物
30日事実収集(負荷・意思決定・評価の空白)チームの現状1枚
60日1on1と優先順位の型を回す週次の運用が2サイクル以上
90日採用・評価の型を残す後任EMが引き継げるチェックリスト

大きな文化改革は90日の成果にしない。回る会議と、決まる優先順位を残す。

事例1:プレーイングマネージが崩壊したチーム

匿名化した一例。エンジニア8名、テックリードが実装の半分を抱えつつ「マネジメントも見る」状態。障害対応と仕様確認で1on1が3週間連続キャンセルされた。退職者が続き、採用を増やしてもオンボーディングが追いつかない。

分岐点は、リードの実装比率を下げず「EM採用だけ」を進めたことだ。採用が決まるまでの3ヶ月でさらに2名が離脱した。先に週2日のEM代行を入れ、1on1と優先順位会議だけを外部が回したチームは、離職が止まり、その後の正社員EM採用が成立した。

事例2:評価制度だけ先に作って失敗したケース

別の一例。制度設計コンサルに依頼し、等級と評価シートだけ整えた。現場の優先順位と1on1が空のままなので、シートは年1の儀式になった。仕組みの紙より、毎週の会話が先だった。

CTO代行との役割分担

主に見るもの
CTO代行・技術顧問投資判断、アーキ方針、経営との接続
EM代行チーム運営、1on1、評価運用、実行の詰まり
テックリード設計・実装・コード品質

境界が曖昧なまま二人入れると、どちらも「優先順位」を言い合い現場が止まる。一文で分ける。

判断軸:EM代行を入れる/まだ社内で足りる

状況推奨
1on1と評価が形骸化し、離職や停滞が起きている代行を検討
マネジメントできる候補が社内にいて、時間だけ足りない役割再配分を先に試す
実装の人手不足が主で、優先順位は明確増員・業務委託
「強いEMを置けば文化が変わる」期待だけ成功条件を週次運用に落とすまで始めない

次に確認すること

  1. マネージャー不在で止まっている具体業務は何か(1on1/評価/優先順位)
  2. テックリードの実装比率を下げる合意はあるか
  3. CTO代行・顧問との境界は一文で書けるか
  4. 90日後に残す「回る型」は何か
  5. 正社員EM採用と代行の並行方針はあるか

まとめ

EM代行は欠員の穴埋めではない。チームが毎週前に進むための型を、採用が決まる前に置く選択肢だ。紙の制度より先に、1on1と優先順位の会話を回す。そこが回れば、採用も定着も速くなる。


EM代行・技術顧問の相談は、お問い合わせフォーム からどうぞ。

Related

関連記事