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技術選定をベンダーに任せる範囲|社内で握るべき決定リスト
全部任せて後悔するか、全部自分で決めて遅延するか。変えにくい決定だけ社内で握る。委任リストと赤旗、判断軸を整理します。
村田 文太郎/代表取締役
- 技術選定
- 受託開発
- CTO代行
「技術はプロに任せたい。」——その気持ちは正しい。だが任せすぎると、ベンダー都合のスタックが残り、内製化も乗り換えも高くつく。逆に全部を社内会議で決めると、選定だけで四半期が消える。
問うべきは「任せるか任せないか」ではない。変えにくい決定だけ握り、変えやすい決定は委任することだ。
社内で握るのは、将来の拘束力が強い選択に限る。
社内決定リスト vs 委任リスト
| 社内で握る(例) | ベンダーに委任してよい(例) |
|---|---|
| クラウドの契約主体とアカウント構造 | フレームワークの細部の版 |
| データの保管地域・機密区分 | リンタやフォーマッタの設定 |
| 認証の外部依存(IdP)方針 | 一時的な開発用ツール |
| 言語/ランタイムの大枠(長期保守) | ライブラリの個別選定(方針の範囲内) |
| 観測・ログの保持方針 | 実装上のディレクトリ構成 |
境界は組織で違う。重要なのは、リストが存在し、採択前に合意されていることだ。
赤旗
- 「弊社の標準スタックで」が理由の全てで、移行コストの説明がない
- 社内に拒否権がなく、選定会議が報告会になっている
- 将来の内製・他社引き継ぎを前提にしない選定
- 「なんでもできます」と言いつつ、実は一択
短い事例
匿名化した一例。受託側の標準で特定のBaaSに全寄せ。短期は速かったが、データ导出と権限モデルの制約で、2年後の内製化見積もりが新規同等になった。社内が「データの出口」だけ握っていれば、別の設計になった。
別の一例。言語選定を社内で3ヶ月議論し、実装が始まらない。大枠(JVM系)だけ決めて細部を委任したチームは、6週間で縦スライスに到達した。
判断軸
| 握る | 委任する |
|---|---|
| 切り替えコストが高い | 切り替えコストが低い |
| 規制・契約・セキュリティに直結 | チーム内の生産性最適化が主 |
| 複数ベンダー/内製が将来ありうる | 単発で終わる作業 |
次に確認すること
- 変えにくい決定のリストは1枚あるか
- ベンダー標準を採る理由とロックインは説明されたか
- 社内の最終承認者は誰か
- 「できません」の代替を求める範囲は合意したか
- 内製化・移管を前提にした制約はあるか
まとめ
技術選定の主導権は、全部かゼロかではない。拘束の強い決定だけ社内に残し、それ以外は委任する。 リストがない任せ方は、後から高い。リストがある任せ方は、速い。
技術選定方針の整理は、お問い合わせフォーム からどうぞ。
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